ちんぷんかんぷん (be Greek to someone)

keiko

2005年11月07日 07:28

「ちんぷんかんぷん」を日本語の辞書で引いて、はじめて「ちんぷんかん」という言葉を知りました。

ちんぷんかん【珍紛漢・珍糞漢】
(陳紛漢・陳奮翰とも書く。もと儒者の用いた漢語をひやかした語に始まるとも、また、長崎の人が紅毛人の語のわからないことから言い始めたともいう) わけのわからないことば。また、それを言う人。

(広辞苑より)

「ちんぷんかんぷん」の英語訳は、いろいろありますが、「(all) Greek to someone」が、日本語の「ちんぷんかんぷん」と語源が似てるようです。
asahipressSENTENCEによると、
シェークスピア(Shakespeare)の『ジュリアス・シーザー』(Julius Caesar)が出典。―シーザーの味方シセロが、人に分からないようにシーザーが暗殺されるということを仲間にギリシャ語で話していたとき、暗殺者の共謀者の一人であるキャスカがそれを盗み聞きしようとした。そのことを他の共謀者たちに伝えたが、「で、シセロは何と言ったか」と聞かれると、キャスカはおどけてFor mine own part, it was Greek to me.(私にとってはまるでギリシャ語だった)、つまり「ちんぷんかんぷんだった」と答えた―という第1幕第2場の有名な場面に由来する言い方である。
eigo21というサイトの中のヨーロッパ諸言語の慣用句比較
ちんぷんかんぷんの項によると、

語源は中世ラテン語の Graecum est; non potest legi 「それはギリシャ語で読むことができない」

他のヨーロッパの諸言語の中にもこのまま「ギリシャ語」の形で受け継がれているのもあります。
ポルトガル語 E grego para mim.
ノルウエー語 Det er Gresk for meg

しかし多くの言語はギリシャ語以外の言語に置き換えています。
ではその他の言語のチンプンカンプンを見てみましょう。
フランス語 C'est du chinois.  それは中国語だ。
フランス語 C'est de l'he'breu.  それはヘブライ語だ。
イタリア語 Per me e` arabo. 私にはそれはアラビア語だ。
イタリア語 Per me e` ostrogoto. 私にはそれは東ゴート語だ。
イタリア語 Parli turco. お前はトルコ語を話している。(軽蔑的表現) 
スペイン語 Me suena a chino. それは私には中国語に聞こえる。
ドイツ語 Das kommt mir Spanisch vor.  それは私にはスペイン語だ。

以上、ヨーロッパ諸言語の慣用句比較 より。

ヨーロッパ諸言語の慣用句比較を読んでいると、各言語で同じ言い回しがあることが分かって、興味深かったです。
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